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札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。健康診断で肝機能の異常を指摘された方も多いのではないでしょうか。肝臓の病気は、症状が出にくいため「沈黙の臓器」と呼ばれます。脂肪肝はその代表例であり、無症状のまま進行し、最終的には慢性肝炎から肝硬変や肝がんへと至る可能性があります。脂肪肝の進行を防ぐためには、定期的な肝機能検査が欠かせません。この記事では、肝機能を評価する際に重要なAST、ALT、γ-GTPの三つの指標に焦点を当て、その役割と重要性について詳しく説明します。
ALT、AST、γ-GTPとは?
- ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ) ALTは肝細胞に多く含まれる酵素で、肝細胞が損傷を受けると血液中に放出されます。健康な肝臓ではALT値は16IU/L以下ですが、これを超えると脂肪肝の兆候となります。特に30IU/Lを超えると、脂肪肝炎や肝硬変への進行リスクが高まります。
- AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ) ASTもALTと同様に肝細胞に多く含まれる酵素ですが、心筋や骨格筋にも存在します。そのため、AST値の上昇は肝臓以外の臓器の問題を示すこともあります。ALTとASTの比率(ALT/AST比)は、肝臓の状態をより正確に評価するために用いられます。
- γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ) γ-GTPは胆管や膵臓にも存在する酵素で、アルコールに敏感に反応します。飲酒量が多い人ではγ-GTP値が上昇しやすいですが、最近の研究では非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)でもγ-GTP値が上昇することが確認されています。
肝臓病の進行段階
- 脂肪肝 脂肪肝は肝臓に脂肪が蓄積する状態であり、ALT値が16IU/Lを超えると進行が始まっていると考えられます。近年、飲酒をしない人にも非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が増えており、これは食べ過ぎや運動不足、加齢などが原因です。
- 慢性肝炎 脂肪肝が進行すると、肝臓に炎症が発生し、ALT値が30IU/Lを超えることが一般的です。炎症が続くと肝細胞が破壊され、肝機能が低下します。
- 肝硬変 肝細胞の破壊が続くと、肝臓が硬く小さくなり、機能を果たせなくなります。肝硬変は不可逆的な状態であり、ALT、AST、γ-GTPの全ての値が大幅に上昇します。
- 肝がん 肝硬変の状態が長期間続くと、高い確率で肝細胞がんが発生します。ALT値が高値の場合、肝がんのリスクは健常者に比べて数倍から数十倍に跳ね上がります。
肝機能検査の重要性
肝機能検査は、脂肪肝や脂肪肝炎の早期発見に不可欠です。自覚症状がないため、血液検査での数値が唯一の判断材料となります。以下の基準値を覚えておくとよいでしょう。
- ALT:30IU/L以下
- AST:30IU/L以下
- γ-GTP:男性80IU/L以下、女性30IU/L以下
まとめ
肝臓の病気は、早期発見と適切な管理が重要です。定期的な健康診断でALT、AST、γ-GTPの数値を確認し、基準値を超えた場合は早めに医療機関を受診することが肝要です。肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように、異常があっても自覚症状がないため、血液検査の結果をもとに適切な対処を行いましょう。肝機能の維持には、バランスの取れた食事、適度な運動、飲酒量の管理が不可欠です。定期的な検査で肝臓の健康を守りましょう。
最後に肝臓に優しいおつまみを紹介します!!
枝豆のガーリックソテー
材料
- 枝豆(冷凍でも新鮮でも可) 200g
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく 2片(スライス)
- 塩 少々
- 隠し味にレモン汁少々(オプション)
作り方
- 中火でフライパンを熱し、オリーブオイルをひく。
- スライスしたにんにくを炒め、香りが立ったら枝豆を加える。
- 全体に油がなじむまで炒め、塩で味を整える。好みでレモン汁を絞る。
キャロットラペ
材料
- 人参 中2本(細かく千切り)
- オリーブオイル 大さじ2
- レモン汁 大さじ1
- パセリ(みじん切り) 少々
- 塩と黒こしょう 各少々
作り方
- 人参を細かく千切りにし、塩少々をふって手で揉み込む。
- 余分な水気を絞り、オリーブオイル、レモン汁、黒こしょうで味付けをする。
- 最後にみじん切りにしたパセリを混ぜて完成。
これらのレシピは、栄養豊富で肝臓の健康をサポートする素材を使用しており、日々のおつまみにも最適です。お酒のお供に、または普段の食事にも取り入れてみてくださいね!
いかがだったでしょうか。当院では健康診断も行っております。詳しくはこちらまで。
今回はこの辺で。また次のブログでお会いしましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック。
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