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健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023について

札幌駅、大通駅近くの小野百合内科クリニックの小野渉です。今回は皆さんの健康を考えた新しい一歩を踏み出すために、最新の運動ガイドラインについてまとめてみようと思います、2023年11月27日、厚生労働省は10年ぶりに更新された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を発表しました。この新ガイドラインでは、一日60分以上の歩行や週に2〜3回の筋トレを推奨しています。この提案は、SNSやニュースでも大きな話題となり、賛否両論を呼んでいます。

しかし、これらの推奨事項は突然生まれたわけではありません。実は、1989年から健康づくりに関する運動所要量が算出され、それ以来、内容の更新やタイトルの変更を経て、私たちの健康をサポートするために継続してきました。10年前の2013年には、「健康づくりのための身体活動基準2013」が設けられ、その精神を受け継ぎつつ、今回新たに改訂されたわけです。

僕も含め多くの人が運動の重要性を理解しつつも、時間、お金、または余裕がないと感じている人も多いと思います。しかし、この最新のガイドラインには、運動をゼロからスタートさせるための推奨事項が含まれており、誰もが実践しやすい内容になっています。

【10年の変更点と基本的な推奨事項】

2013年版からの大きな変更点として、タイトルが「基準」から「ガイド」へと変わりました。これは、一律の基準ではなく、個々の状況に応じた柔軟な取り組みを促すためです。成人では週に23METs以上の身体活動を、高齢者には週に15METsの活動を推奨しています。これに加えて、座位行動の削減も新たに提案されており、30分ごとに立ち上がることが推奨されています。

【運動設定の根拠】

これらの推奨事項は、生活習慣病の予防に役立つとされる週19〜26METs(平均23METs)の活動量に基づいています。また、高齢者に対しては、従来の10METsから15METsへと活動量の目標が引き上げられ、これにより総死亡リスクや心血管疾患死亡リスクの低下が期待されています。

【筋力トレーニングの重要性】

筋トレは、筋力や骨密度の向上に加えて、転倒や骨折のリスク低減にも寄与します。筋トレを行うことで、有酸素運動だけでなく、総死亡リスクの大幅な低下にも繋がることが示されています。

【座位行動のリスク】

座位行動の増加は死亡リスクの上昇に直結します。座位時間を減らし、定期的に立ち上がることで、心血管代謝疾患のリスクを低減できます。

【運動を始めてみよう】

運動習慣がない場合でも、少しずつ活動量を増やすことで、生活習慣病の発症リスクや死亡リスクを低下させることができます。たとえば、日々の歩数を増やしたり、短時間でも筋トレを取り入れたりすることから始めてみましょう。

運動の取り組み方は人それぞれです。一人ひとりの生活習慣や体力に合わせた運動を選び、無理なく続けることが重要です。健康な生活を送るためには、運動だけでなく、食事も重要です。私たちの健康を守るために、新しい運動習慣を始めてみませんか?もし興味があれば院長までお気軽にご相談ください。

 

小野百合内科クリニック

小野渉