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ベジファーストは本当に意味がないのか?その効果について徹底解説

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。皆さんは「ベジファースト」という健康法をご存じですか?野菜を最初に食べることで、ダイエットや血糖値の急上昇を抑える効果があると広く知られている食事法です。しかし、最近発表された「日本人の食事摂取基準(2025年版)」から、このベジファーストに関する記載が削除され、多くの人が疑問や誤解を抱いているようです。この記事では、この削除の背景や、実際にベジファーストがどういった効果を持つのか、糖尿病内科立場から解説してみようと思います。

ベジファーストの基本

ベジファーストとは、食事の際に野菜を最初に食べることを推奨する食事法です。この方法は、血糖値の急上昇(いわゆる血糖値スパイク)を防ぎ、糖尿病予防や管理に役立つとされています。しかし、ベジファーストが広く伝わる過程で、その効果や目的が誤解されるようになったと言われています、本来のベジファーストの研究は、「野菜だけを食べて10分休んだ後に米だけを食べる」という特定の条件下で行われたものです。この研究では、食後の血糖値が抑制されることが示されました。しかし、一般的に広まったのは「野菜を先に食べればよい」という単純化された形でした。この誤解が、今回のベジファーストの削除につながったのです。

誤解されたベジファースト

厚生労働省の「食事摂取基準(2025年版)」では、ベジファーストに関する記載が削除されましたが、それは「効果が全くない」という意味ではありません。むしろ、強調されるべき点は、「ベジファースト」が正しく理解されず、広まりすぎたために問題が生じたという点です。例えば、「野菜を先に食べればダイエットに効果がある」という誤解が広がりましたが、実際にはダイエットとの因果関係はありません。ベジファーストは主に血糖値コントロールに関するものであり、ダイエット効果の証拠はありません。

ベジファーストは無駄なのか?

ベジファーストが削除されたことにショックを受ける人も多いでしょうが、すべての人にとって無駄な習慣というわけではありません。野菜を先に食べることは、普段あまり野菜を摂取しない人にとって、野菜を食べるきっかけとなるため、健康意識を高める一助にはなり得ます。また、野菜だけでなく、肉や魚などのタンパク質を先に食べることでも、血糖値の上昇を抑える効果があるとされています。大切なのは、食事の順番や内容を見直し、自分に合った健康的な食習慣を取り入れることです。

まとめ

ベジファーストが「食事摂取基準」から削除されたからといって、その効果が完全に否定されたわけではありません。むしろ、誤解を避け、正しい知識を持つことが重要です。健康情報はつい見出しや断片的な情報だけで判断されがちですが、しっかりとしたエビデンスに基づいて行動することが求められます。ベジファーストのように、一見簡単に取り入れられる健康法も、何を目的にしているのかを理解して活用することで、効果を最大限に引き出せるでしょう。

健康情報の正確な理解と、その適用が、日々の食生活において非常に重要です。あなたに合った食事法を見極め、健康的な生活を送りましょう。

今回はこの辺で札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック

院長 小野渉

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