札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。皆様はご飯を食べたばかりなのにすぐにお腹が減って、ダメだとわかっていてもついつい食べてしまうことはありませんか。それには血糖の急激な変動が大きく関わっています。この記事を読むことで、「空腹と血糖値の関係」について理解し、自分の空腹感の原因を考えるヒントを得られます。また、後半で紹介する「血糖値の変動を抑える食べ方のコツ」を実践することで、糖尿病の予防にもつながります。
偽の空腹感が起こる原因とは?
食後すぐに空腹を感じるのは、血糖値の急激な変動が原因かもしれません。糖質や高GI値の食品を摂取すると、血糖値が急上昇し、その後急降下することで「偽の空腹感」が生じます。血糖値を上昇させやすい食品例としては糖質が多い食事(白米、白パン、甘い飲み物など)や高GI値の食品(白い砂糖、精製された穀物)があります。血糖値の急変動を繰り返すことで、インスリンの分泌が乱れ、体がエネルギー不足を感じやすくなります。この状況を放置すると、糖尿病のリスクが高まる可能性もあります。
糖尿病と空腹感:その関係性とは??
糖尿病の方は、以下のような理由で空腹を感じやすくなります。
- インスリン作用の低下
- インスリンの分泌不足や抵抗性により血糖値が下がりにくく、急激に変動しやすい。
- 結果として、エネルギー不足を脳が感知し、空腹感を感じやすくなります。
- ホルモンバランスの乱れ
- レプチン:食欲を抑えるホルモン。抵抗性が高まり効きにくくなる。
- グレリン:食欲を促進するホルモン。分泌量が増加する。
これらの要因が組み合わさり、食後でも空腹感が持続しやすくなります。
糖尿病の初期段階では、自覚症状が少ない場合がありますが、「食べてもすぐにお腹が空く」という状態が頻繁に現れる場合は注意が必要です。
空腹感を引き起こすその他の原因
血糖値の変動以外にも、以下の原因で空腹感が生じることがあります。
- 食物繊維の不足
食物繊維は消化吸収が緩やかで、満腹感を持続させます。オートミールやひじき、豆類、りんごなどを積極的に摂りましょう。
- 脂肪分の不足
良質な脂肪(不飽和脂肪酸)は腹持ちを良くします。オリーブオイル、アボカド、サーモン、ナッツ類を適量摂取することが推奨されます。
- 睡眠不足
睡眠不足は、レプチンが減少しグレリンが増加するため、空腹感を強めます。規則正しい睡眠を心がけましょう。
- 水分不足
水分不足は脱水症状を引き起こし、空腹感と混同しやすくなります。1日1.5–2リットルを目安に水分補給を行いましょう。
- ストレス
ストレスによるコルチゾールの分泌過多は血糖値の乱れを招き、空腹感を引き起こします。リラックスできる時間を持つことが大切です。
血糖値の変動を抑える具体的な方法
血糖値を安定させるためには、以下のポイントを意識した食生活を取り入れましょう。
糖質の摂取量を抑える
糖質の摂り過ぎは血糖値の乱高下を招きます。主食を玄米や麦ごはんに置き換えたり、パスタを全粒粉のものにするなど工夫をしましょう。
低GI食品を選ぶ
低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにします。例えば、白米の代わりに玄米、食パンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、日常の食事に取り入れやすい方法です。
食物繊維や脂質を摂る
豆類や野菜、全粒穀物など食物繊維を多く含む食品や、良質な脂肪を摂取することで満腹感を持続させ、血糖値の変動を抑えられます。
栄養バランスを整える
「野菜・たんぱく質・炭水化物・脂質」のバランスが取れた食事を心がけることで、血糖値の安定を図ることが可能です。
食事を小分けにする
1日3食ではなく、5–6回に小分けすることで血糖値の変動を抑えることができます。一回の食事量を減らし、カロリーの過剰摂取を避けながら頻度を増やす方法が有効です。
食事以外で血糖値を安定させる方法
適度な運動を取り入れる
適度な運動は、血糖値の安定に重要な役割を果たします。ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を日常生活に取り入れましょう。
ストレス管理の実践
瞑想や深呼吸、趣味に時間を割くことでストレスを軽減し、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。
定期的な健康診断の重要性
糖尿病のリスクがある方は、定期的に健康診断を受けることで早期発見・予防が可能です。特に血糖値やHbA1cのチェックを忘れずに行いましょう。
まとめ
血糖値を安定させるためには、普段の食生活を見直すことが重要です。また、空腹感以外にも気になる症状がある場合は、専門の医師に相談することをお勧めします。当院では糖尿病外来や肥満外来、また管理栄養士による栄養指導もおこなっております。
気になることがあれば、ぜひ当院までお越しください。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉