札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。冬も近づき、コンビニにもおでんが並ぶ時期になってきました。おでんは油を使わずに出汁でコトコト煮るため、同じ量でも揚げ物や炒め物よりエネルギーが抑えやすい料理に分類されます。大根やこんにゃく、昆布、卵、豆腐類、練り物、肉類など多様な具材から選べるので、目的に合わせた組み合わせがしやすくなります。実際に、卵・大根・ちくわ・牛すじ・餅巾着をひとつずつ選ぶ一食モデルでは、出汁込みでおよそ313kcal、糖質27.0gに収まります。出汁の甘みやうま味が食べ応えを高めるため、薄味でも満足感を得やすくなります。今回はそんなヘルシー料理のおでんについて内科医の目線から解説してみようと思います
一人前の目安と主食を足す際の注意点
おでんだけならエネルギーを抑えやすく見えますが、白米を茶碗一杯分(140〜150g)添えると総エネルギーが一気に増えやすくなります。前述の313kcalに白米を加えると、合計でおよそ500kcal超、糖質も大幅に増加します。ダイエット中や血糖管理を意識する場合は、白米は少なめに盛るか、主食をおでんの餅巾着に置き換えるなどの工夫を取り入れると過剰摂取を避けられます。
具材別のカロリー・糖質の傾向を押さえる
具材の特徴を理解すると、全体のバランスを整えやすくなります。可食部50gあたりの参考値を基に、選び方のコツを整理します。
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低エネルギー・低糖質の柱にできる具材
大根(約8kcal・糖質1.4g)、板こんにゃく(約2.5kcal・糖質0.1g)、しらたき相当はエネルギーが非常に低く、食物繊維も補えます。昆布は戻し後50gで約78kcal・糖質約10gと数字は上がりますが、量を控えめにすればミネラルや水溶性食物繊維を取り入れやすくなります。
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たんぱく質を確保しやすい具材
卵(約67kcal・糖質0.2g)、焼き豆腐(約41kcal・糖質0.3g)、厚揚げ(約72kcal・糖質0.1g)、牛すじ(約76kcal・糖質0g)、つみれ(約57kcal・糖質3.3g)は、糖質を抑えながらたんぱく質を補給しやすくなります。 -
糖質やエネルギーが上がりやすい具材
ちくわぶ(約80kcal・糖質14.8g)は小麦由来のため糖質が高くなります。練り物の焼きちくわ(約57kcal・糖質6.8g)やさつま揚げ(約68kcal・糖質7.0g)は、砂糖やでんぷんが加わる影響で数値が上がりやすくなります。ソーセージは一個で約160kcalとエネルギーが高く、量の管理が必要になります。
糖尿病や減量中に役立つ選び方と注意点
血糖管理や体重管理を意識する場合、練り物の頻度と量を抑え、汁を飲まない習慣を徹底すると過剰な糖質と塩分の摂取を避けられます。日本人の食塩目標量は成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満が目安のため、出汁は味わい程度にとどめます。最初に大根・昆布・こんにゃくなど食物繊維の多い具材から食べ進めると、血糖の上がり方を緩やかにしやすくなります。たんぱく質は卵や牛すじ、豆腐・厚揚げで確保し、じゃがいもや餅巾着、ちくわぶは主食の量と引き換えに選ぶと全体の糖質量を調整しやすくなります。
自宅調理でさらに賢く整えるコツ
出汁はみりんや砂糖を控えめにして、かつお節と昆布のうま味で味を立たせると余計な糖質を減らせます。塩分は醤油を控えめにして、仕上げに柚子皮、からし、七味、ゆず胡椒で香りを補うと満足度が下がりにくくなります。練り物は種類を絞って一点豪華主義にし、野菜やきのこ、豆腐類を増やすと、栄養バランスとボリュームを両立できます。
まとめ
おでんは選び方次第で、カロリーも糖質も賢くコントロールできる料理として活用できます。大根やこんにゃくなど低エネルギーの具材を土台に、卵や牛すじ、豆腐・厚揚げでたんぱく質を補い、練り物や餅巾着は量と頻度を調整すると、満足感を保ちながらエネルギーと糖質の過剰を防げます。汁は飲み干さず、主食の量も合わせて見直すと、減量中や血糖管理中でも安心して楽しめます。寒い季節の定番を上手に取り入れて、体調と目標に合った食事づくりにつなげていきましょう。
いかがだったでしょうか。また次のブログでお会いしましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉