札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。新年を迎える日本の伝統的な食文化「おせち料理」。鮮やかな見た目や祝いの意味が込められた料理の数々は、まさに新年の象徴です。しかし、糖尿病患者さんにとっては、味付けの濃さや糖質・塩分の高さが気になるポイントです。そこで、血糖値をうまくコントロールしながら安全におせち料理を楽しむための5つのコツを詳しくご紹介します。
1 : 食べる時間を守り、生活リズムを整える
お正月は夜更かしや遅い時間の食事が増え、生活リズムが乱れがちです。しかし、血糖値の安定には規則正しい食事の時間が欠かせません。特に夜遅い食事は、翌朝まで血糖値が高い状態を続けてしまう可能性があるため避けるようにしましょう。
さらに、間食を控えるためにテーブルやコタツの上にお菓子や果物を置きっぱなしにしないことも大切です。口寂しさを感じた場合は、無糖の炭酸水や温かいお茶を飲むのがおすすめです。特別な日にふさわしいおいしいお茶を用意することで、お正月気分を楽しみながら健康的に過ごせます。
2 : 小皿に取り分けて食べる
おせち料理は保存性を高めるために糖分や塩分が多く使われています。大皿から直接取るとつい食べ過ぎてしまうため、食べる分をあらかじめ小皿に取り分けて摂取量をコントロールしましょう。1回の食事で摂る量を決めておくことで、過剰なカロリー摂取や血糖値の急上昇を防ぐことができます。
また、見た目にも楽しめるよう、一人分ずつ美しく盛り付けると満足感もアップします。南天の葉や懐紙を添えるなど、小さな工夫でお正月らしさを演出してみてください。
3 : 野菜料理を最初に食べる
おせち料理の中でも、野菜料理を最初に食べることは血糖値コントロールの鍵となります。食物繊維の豊富な紅白なますやたたきごぼう、煮物などを最初に摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになります。食事の順番に気を付けるだけでも、糖尿病患者さんにとって大きな効果があります。
例えば、紅白なますは低カロリーかつさっぱりとした味わいで、箸休めにも最適です。食事全体のバランスを考えながら、野菜を取り入れる工夫をしてみてください。
4 : 糖質が多い料理は少量を楽しむ
おせち料理には栗きんとんや黒豆、伊達巻といった甘く味付けされた料理が多く含まれます。これらの料理は糖質が高いので、主菜ではなく間食として少量楽しむ程度に留めるのがベストです。
- 栗きんとん:1日小鉢1/2皿分
- 黒豆:小鉢1皿分
- 伊達巻:1切れ
これらを目安に、量を調整しながら召し上がってください。
5 : 市販の糖質オフおせちを活用する
最近では、糖質や塩分に配慮された市販のおせち料理も数多く販売されています。例えば、紀文の「糖質50%オフおせち詰め合わせセット」は、一般的なものに比べて糖質が控えめで安心です。また、自宅で手作りする場合は、エリスリトールやラカントなどの甘味料を使用することで、糖質を抑えつつも美味しさを損なわないおせちを作ることができます。
おすすめの簡単糖質オフレシピ:柿入り紅白なます
材料(1人分)
- 大根:40g
- 人参:20g
- 柿:30g
- 炒り白ごま:0.5g
- 酢:小さじ1+1/2
- 薄口醤油:小さじ1/2
作り方
- 大根と人参を細切りにし、柿も同様に切ります。
- 酢と薄口醤油を混ぜた調味液を大根・人参・柿にかけて和えます。
- 最後に炒り白ごまを振りかけて完成です。
このレシピは自然な甘みを活かしながら、糖質を控えめにしたお正月料理としておすすめです。
糖尿病患者さんへのメッセージ
新年は特別な行事が多く、食生活が乱れやすい時期ですが、工夫次第で健康的に楽しむことができます。おせち料理を楽しむ際には、量や順番に気を付け、血糖値や体調を管理しながらお過ごしください。この記事の内容が、皆さまの健康的なお正月の一助となれば幸いです。
糖尿病と共に歩む皆さまに、明るく素晴らしい新年をお祈りいたします!
今回はこの辺でまた次のブログでお会いしましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉。