札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。みなさんはマインド食というものをご存知ですか??マインド(MIND)食とは、地中海式食事法とDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食を組み合わせた、認知症予防を目的とした食事法です。2015年にアメリカ・ラッシュ大学から発表され、アルツハイマー型認知症の発症リスクを下げる可能性があるとして注目されました。実際にシカゴで行われた研究では、58〜98歳の男女923人を4年半追跡した結果、マインド食をしっかり実践していた人は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが50%以上低いことが報告されています。
摂取すべき10食品と控えるべき5食品
マインド食は、「積極的に摂取したい10食品」と「控えたい5食品」の合計15項目から構成されています。
推奨される10食品は、緑黄色野菜、ベリー類、オリーブオイル、ナッツ、魚、鶏肉、豆類、全粒穀物、ワインなどです。これらの食材は、抗酸化作用や血管の健康維持に役立つ成分を多く含みます。一方で、赤身肉、バター、チーズ、ファストフード、菓子類は「控えるべき食品」とされています。これらは飽和脂肪酸を多く含み、血管を硬化させる原因となるためです。血管のしなやかさを失うと脳への血流が悪くなり、認知機能低下につながるおそれがあります。
日常生活での取り入れ方
マインド食の良い点は、厳密な制限がなく続けやすいことです。たとえば白米を玄米に変えるだけでも、マインド食の一項目を達成できます。玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、腸内環境の改善にも役立ちます。
また、豆腐や納豆を週3回以上食べることも推奨されています。日本人にとってなじみ深い大豆製品は、たんぱく質やレシチン、オリゴ糖などが豊富で、脳と血管の健康をサポートします。さらに、肉料理を選ぶ際には、牛・豚よりも鶏肉や魚を選ぶように意識しましょう。赤身肉を週4回以下にするだけでも、マインド食の基準を満たすことができます。

実践の目安とスコアの考え方
マインド食の実践度を測る目安として「スコア」があります。摂取すべき10食品と控えるべき5食品のうち、どれだけ実践できているかでスコアが決まります。研究では、スコアが8.5以上の人は、スコアが6.5以下の人に比べて認知症発症リスクが50%低かったと報告されています。すべて完璧に実行する必要はありません。まずは自分ができる範囲で、少しずつ取り入れていくことが大切です。
まとめ|脳と血管の健康を守るために
認知症のリスクを減らすためには、30代・40代からの予防意識が大切です。
マインド食は、食事を我慢するのではなく、より良い食材を選ぶという前向きな考え方に基づいています。
買い物のときに「この食材は脳にいいかどうか」を意識するだけでも、健康寿命を延ばす第一歩になります。毎日の食事を少しずつ見直し、未来の自分の脳を守るために、今日からマインド食を取り入れてみてはいかがでしょうか。
いかがだったでしょうか。また次のブログでお会いしましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉

