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今回はHbA1cの測定方法についてです。HbA1cの測定は、糖尿病の管理と診断において重要な役割を果たします。しかし、測定値の正確性は、検体の取り扱い方法によって大きく左右されることがあります。特に外部検査機関に測定を委託する場合、不適切な搬送や保存方法により、低値が報告される可能性があります。
溶血の問題と対策
冷蔵で搬送された全血検体は、特に老化した赤血球が溶血しやすいため、HbA1cの測定値に影響を与えることがあります。溶血はHbA1c値を不正確に低下させる可能性があるため、この問題を避けるためには適切な採血管の選択が重要です。具体的には、NaF入り採血管ではなく、溶血の少ないEDTA入り採血管の使用が推奨されます。また、検体を遠心処理した後に、血漿層に著しい溶血がないことを確認する必要があります。
採血管の推奨と検体の前処理
HbA1c測定のための検体取り扱いにおいて、以下の点に注意することが推奨されます:
NaF入り採血管を避け、EDTA入り採血管を使用する。
遠心条件(相対遠心力と遠心時間)は、使用する測定法の指示に従う。
検体を遠心処理した後、著しい溶血がないことを確認し、ある場合はその検体を参考値とみなす。
また、検体の梱包や搬送中には、保冷剤で検体が凍結しないように注意が必要です。
まとめ
HbA1cの測定における検体の前処理と採血管の選択は、正確な測定値を得るために非常に重要です。特に外部検査機関に委託する際は、適切な採血管の選択と正確な前処理方法の遵守が必須です。これにより、糖尿病の適切な管理と診断に必要な信頼性の高いデータを提供することができます。
【院長コメント】
当院では血糖、HbA1cの検体は院内で即日検査するため精確ですのでよろしくお願いします
文献 糖尿病64(5):336~339, 2021
J-STAGE Articles – 遠心処理後に測定するHbA1c測定法での採血管の取扱い( EDTA入り採血管の推奨)について
札幌駅、大通駅近くの小野百合内科クリニック
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