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秋の味覚・きのこは低カロリーで栄養満点!種類別に見る健康効果と食べ方のコツとは!!

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。そろそろきのこが美味しい季節になってきました。シイタケやエノキ、マイタケ、ブナシメジ、ナメコなどのきのこは、鍋物や汁物の名脇役として活躍しますが、味の主張が穏やかなために栄養価も控えめだと思われがちです。実際には、野菜では珍しい成分を含み、低カロリーと高栄養を含みます。ビタミンB群やカリウムなどのミネラル、そして何より食物繊維が豊富で、きのこ特有のβグルカンやビタミンD2も摂れます。レタスの食物繊維が100gあたり1.1gに対して、シイタケは4.9gと約5倍で、満足感のわりにカロリーは少ないため、体重管理にも役立ちます。今回はそんなヘルシー食材のキノコについて内科医の目線から徹底解説しようと思います。

きのこに多い栄養と期待できる健康効果

きのこの柱となる栄養は食物繊維、βグルカン、ビタミンB群、ビタミンDです。βグルカンは水溶性食物繊維として、食後血糖値の急上昇を緩やかにし、胆汁酸と結合してコレステロールの排出を助けます。ビタミンB1やB2、ナイアシンなどのB群は糖質や脂質の代謝を後押しし、疲労感の軽減や皮膚粘膜の維持に貢献します。きのこ由来のビタミンD2は小腸でのカルシウム吸収を促し、骨の強化だけでなく、筋収縮や神経伝達の正常化にも関わります。総合的に見ると、便通改善、脂質代謝の是正、血糖や血圧のコントロールといった生活習慣病予防に向く構成です

それぞれのキノコの栄養価とは??

シイタケ うま味と機能性の二刀流

シイタケは不溶性食物繊維が多く、腸の動きを促して便通を整えます。細胞壁に多いβグルカンは食後血糖の上昇を緩やかにし、コレステロール排出にも寄与します。日光や乾燥でエルゴステロールがビタミンD2に変わり、カルシウム吸収を後押しします。干しシイタケは生よりビタミンDとうま味のグアニル酸が大幅に増えるため、戻し汁まで活用したいところです。新潟県産 生しいたけ

エノキ 代謝サポートとカリウムのバランサー

エノキはビタミンB1やナイアシンなどのB群が比較的豊富で、糖質代謝を円滑にします。カリウムも含むため、余分なナトリウムの排出を助けてむくみ対策に役立ちます。細くてかさ増し効果が高く、同量でも満足感を得やすいのが強み。乾燥や冷凍で細胞壁が壊れると、だしやスープに溶け出す栄養が取り込みやすくなります。エノキタケ(榎茸)とは?保存方法やレシピもご紹介 | デリッシュキッチン

マイタケ 骨ケアと血糖コントロールの主力

マイタケはきのこの中でもビタミンDが多く、骨の健康や筋機能の維持を支えます。βグルカンを含み、食後血糖の上昇を抑える作用が期待できます。ポリフェノールも含むため、煮汁がやや色づくのは成分の溶出のサイン。乾燥でDがやや減る一方、B1は上がりやすいという特徴があり、代謝面のメリットも見込めます。舞茸の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」 | クラシル

ブナシメジ 血圧対策と満足感の両立

ブナシメジはカリウム量が多く、ナトリウム排泄を促して血圧維持に貢献します。ビタミンB1やB2、ナイアシンも含み、疲労感が強い日の代謝サポートに向きます。加熱しても食感が残りやすく、主菜のかさ増しに使うと総エネルギーと脂質を自然に抑えられます。ぶなしめじと本しめじは何が違う?栄養や見分け方を徹底解説 | デリッシュキッチン

ヒラタケ 代謝ビタミンとミネラルの優等生

ヒラタケはビタミンB1とB2が多めで、糖質と脂質のエネルギー化を後押しします。カリウムも豊富なため、塩分過多になりやすい外食の日の副菜に適します。ソテーや蒸し料理で水っぽさを避け、油を少量合わせると脂溶性のビタミンDの吸収効率も高まります。ひらたけ 商品ページ

ナメコ 腸活特化のとろみパワー

ナメコのぬめりは水溶性食物繊維のペクチンを主成分とし、腸内細菌のエサになって整腸を助けます。βグルカンも含むため、血糖値やコレステロールのコントロールにプラス。スープや味噌汁なら溶け出した水溶性成分を余さず摂取できます。洗い過ぎはぬめりの流出につながるため、下処理は短時間で。なめこの栄養と効果~食べすぎ注意?食べ合わせについても解説~ | シンクヘルス株式会社

エリンギ 食感で満腹感を生む腸の味方

エリンギは不溶性食物繊維が多く、蠕動運動を促進して便通を整えます。加熱しても縮みにくい弾力があり、少量でも食べ応えを確保。縦に裂けば味が染み、輪切りにすれば貝柱風の食感となり、満足度を高めながらエネルギーを抑えられます。エリンギの栄養とは?見分け方や美味しい食べ方・簡単レシピまでご紹介 | デリッシュキッチン

キクラゲ ミネラルと食物繊維の隠れ主役

キクラゲは食物繊維とミネラルを幅広く含み、低カロリーで栄養密度が高いのが持ち味です。戻し方で食感が変わるため、サラダは短時間、炒め物はやや長めに戻すと歯応えと栄養を両立できます。脂肪分が少なく、ダイエット中でも使い勝手の良い一品。きくらげへのこだわり|自然派化粧品【地の塩社】

乾燥と冷凍で栄養とうま味を底上げ

きのこは生でも有用ですが、乾燥や冷凍で一段と力を引き出せます。エノキやシイタケは乾燥でビタミンDが大きく増え、戻し汁には水溶性成分とうま味が溶け出します。マイタケは乾燥でビタミンDがやや減る一方、B1が増えやすいという特色があります。干すと細胞膜が壊れて成分が出やすくなり、グアニル酸が増えるため、だし要らずでも深い味に仕上がります。天候の良い日は傘の裏面を日光に向けて30分ほど干すだけでも十分です。冷凍は細胞壁を壊してうま味と栄養の抽出性を高めるので、石づきを落として小分けにし、凍ったまま調理に使うと無駄がありません。

栄養を逃さない下ごしらえと調理のコツ

水洗いは風味低下と水溶性栄養の流出につながるため避け、汚れは湿らせたペーパーで拭き取ります。煮物や鍋なら煮汁ごと食べられるメニューを選ぶと溶け出したビタミンB群やカリウムも余さず摂れます。炒め物は強火短時間で水っぽさを防ぎ、うま味を凝縮します。ビタミンDは脂溶性なので、オリーブオイルやバターを少量合わせると吸収率が上がります。カルシウム食品と相性が良いため、牛乳やチーズ、しらす、豆腐と組み合わせると骨の健康を多方向から支えられます。

おいしいきのこの選び方

鮮度は見た目に表れます。シイタケは傘が開き切らず内側が白く、軸が太く短いものが良品です。ブナシメジは小ぶりで密にまとまり、色が濃く軸が白く張りのあるものを選びます。ナメコは傘が開き過ぎず、ぬめりがしっかり残るものが風味良好です。マイタケは茶の色味が濃く、肉厚で締まり、軸断面が真っ白なものが目安です。エリンギは軸が白く弾力があり、傘が薄茶色で巻き気味のものが上質です。いずれもかさの裏が白く、乾きがよいものを選ぶと当たりを引きやすくなります。

まとめ 季節の常備菜として毎日少しずつ

きのこは低カロリーで食物繊維が豊富なうえ、βグルカンやビタミンD2など野菜では得にくい成分を含みます。種類ごとの得意分野を知り、乾燥や冷凍を活用し、煮汁までいただく調理を選べば、腸活、血糖や脂質のコントロール、骨の健康まで幅広く支えられます。鍋物、スープ、炊き込みご飯、クリーム煮、炒め物などに毎日少量ずつ取り入れて、本格的な冬に備えたからだづくりにつなげましょう。

最後にキノコを使った低糖質な健康レシピを紹介します。

舞茸と豆腐のヘルシーハンバーグ

材料(2人分)

  • 鶏ひき肉:150g

  • 木綿豆腐:100g(水切り)

  • 舞茸:1/2パック(みじん切り)

  • 玉ねぎ:1/4個

  • 塩こしょう:少々

  • サラダ油:小さじ1

作り方

  1. 舞茸と玉ねぎをみじん切りにして炒め、冷ます。

  2. ボウルに鶏ひき肉、豆腐、炒めた舞茸・玉ねぎ、塩こしょうを混ぜて成形。

  3. フライパンで両面をこんがり焼き、フタをして中まで火を通す。

  4. ポン酢+大根おろしでさっぱりと。

 

しめじとエノキの和風ナムル

材料(2人分)

  • しめじ:1/2パック

  • エノキ:1/2袋

  • ごま油:小さじ1

  • 醤油:小さじ1/2

  • すりごま:小さじ1

  • 塩:ひとつまみ

作り方

  1. しめじ・エノキをさっと茹で、水気を切る。

  2. ごま油、醤油、すりごま、塩を加えて和える。

  3. 冷蔵庫で冷やして味をなじませる。

エリンギのバター醤油ソテー

材料(2人分)

  • エリンギ:2本

  • バター:5g

  • 醤油:小さじ1

  • 黒こしょう:少々

作り方

  1. エリンギを縦にスライスする。

  2. フライパンにバターを溶かし、エリンギを炒める。

  3. 醤油を加えて香ばしく仕上げ、黒こしょうで味を整える。

 

いかがだったでしょうか。また次のブログでお会いしましょう

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック

院長 小野渉

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