札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。突然ですが糖尿病の「しめじ」、「えのき」ってなんでしょうか。もしかしたらお聞きになった方もいるかもしれません。しめじとえのきはキノコではなく糖尿病の合併症のことです。今回はその合併症について糖尿病内科医の目線から解説したいと思います。最後まで読めば糖尿病の合併症について詳しくなれるはずですよ!!
始めに
糖尿病は、現代社会における重要な健康課題の一つです。この病気は、慢性的な高血糖が特徴であり、適切な管理が行われない場合、多くの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。特に重要なのは、「しめじ」と「えのき」というゴロ合わせで知られる合併症群です。これらの合併症を理解し、適切に対処することは、糖尿病患者の生活の質を大きく改善するために不可欠です。
「しめじ」:糖尿病の三大合併症
- 神経障害(し)
高血糖は神経細胞を直接傷つけ、感覚神経障害や自律神経障害など、さまざまな神経系の問題を引き起こすことがあります。これにより、患者は痛みの感覚の低下、消化不良、心拍数の異常など様々な症状に悩まされることになります。 - 網膜症(め)
糖尿病網膜症は、網膜の血管が破損することで視力障害を引き起こす可能性があります。この合併症は進行性で、放置すると失明に至ることもあります。 - 腎症(じ)
腎臓は体内のフィルターとして機能しますが、糖尿病による高血糖は腎臓の細かな血管を破壊し、腎機能障害を引き起こすことがあります。重症化すると透析が必要になることもあります。
「えのき」:大血管合併症
- 壊疽(えそ)
足壊疽は、血流が不足することで足の組織が死んでしまう症状です。最悪の場合、感染が拡大し、足の切断が必要になることもあります。 - 脳血管障害(の)
脳血管が狭窄または閉塞すると、脳梗塞が発生するリスクが高まります。これは、急性の症状を伴い、しばしば命に関わる状況を引き起こすことがあります。 - 狭心症・心筋梗塞(き)
心筋梗塞や狭心症は、心臓の血管が狭くなり、心筋への血流が不足することで発生します。これらの症状は非常に重篤で、時には急死を引き起こすこともあります。
管理と予防
糖尿病の管理は、これらの合併症を避けるために非常に重要です。血糖値の適切なコントロールはもちろん、定期的な医療検査を受けることで、これらの合併症のリスクを低減することが可能です。また、生活習慣の改善、特に適切な食事、定期的な運動、禁煙は、血糖値の安定に役立つだけでなく、全体的な健康を促進します。
まとめ
「しめじ」と「えのき」は、糖尿病患者が直面する可能性のある重篤な合併症を理解するための有用なゴロ合わせです。これらの合併症の初期段階で適切な治療を受けることが、健康な生活を維持するための鍵となります。自己管理と定期的な医療チェックアップにより、これらの深刻な合併症の発症を防ぎ、長期的な健康を守ることができるのです。
最後に当院の管理栄養士による糖質オフのヘルシーなきのこ料理を紹介します!!
きのこと鶏肉のガーリックソテー
材料(2人分):
- きのこ(しいたけ、えのきだけ、しめじなど)300g
- 鶏もも肉 200g(一口大に切る)
- にんにく 2片(みじん切り)
- オリーブオイル 大さじ2
- 醤油 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 塩、黒胡椒 各少々
- パセリ(みじん切り) 適量
作り方:
- きのこは適当な大きさにほぐす。
- フライパンにオリーブオイルとみじん切りのにんにくを中火で熱し、香りが立ったら鶏肉を加えて炒める。
- 鶏肉に火が通ったら、きのこを加えてさらに炒める。
- 醤油と酒を加え、全体をよく混ぜながら炒める。塩と黒胡椒で味を調える。
- 皿に盛り付け、パセリを散らして完成。
カリフラワーときのこのリゾット風
材料(2人分):
- カリフラワー 1個(ライス状にする)
- しいたけ 200g(スライス)
- 玉ねぎ 1/2個(みじん切り)
- チキンブイヨン 300ml
- パルメザンチーズ 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩、胡椒 各少々
作り方:
- カリフラワーをフードプロセッサーで細かくし、ライス状にする。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎとしいたけを炒める。
- 玉ねぎが透明になったら、カリフラワーを加えてさっと炒める。
- チキンブイヨンを少しずつ加えながら、柔らかくなるまで中火で炒め続ける。
- 塩と胡椒で味を調え、火を止める前にパルメザンチーズを加えて混ぜ合わせる。
これらのレシピは、糖質を控えめにしながらも食事を楽しむのに役立ちます。きのこのうま味と栄養を活かした料理で、健康的な食生活をサポートしてくださいね!
いかがだったでしょうか。今回はこの辺で。また次のブログでお会いしましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック