札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。みなさんはBMIという言葉を聞いたことがありますか。健康診断の結果で目にするBMIは、私たちの体格を大づかみに把握するための国際的な指標です。数値が高いほど不健康という単純な話ではなく、低すぎても病気のリスクが高まります。このブログでは、BMIの仕組みと判定基準、健康との関係、さらに今日から実践できる対策まで、医療的な視点で丁寧に解説します。
目次
BMIとは 体格指数が示すもの
BMIはBody Mass Indexの頭文字で、日本語では体格指数と呼ばれます。身長に対する体重の程度を示すもので、成人の痩せから肥満までを一つの物差しで評価できます。筋肉量や年齢差を直接反映しないという限界はありますが、集団でも個人でも使いやすい指標として世界的に広く利用されています。なお、18歳未満は成長段階のため、幼児はカウプ指数、学童はローレル指数など別の基準で評価します。
計算方法と日本の判定基準
BMIの計算式
BMI=体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m
例 身長160cm、体重55kgの場合
55 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 21.5
日本肥満学会の判定基準
18.5未満 低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上30未満 肥満度Ⅰ
30以上35未満 肥満度Ⅱ
35以上40未満 肥満度Ⅲ
40以上 肥満度Ⅳ
統計的に病気にかかりにくい体重の目安はBMI22とされ、標準体重は 身長m×身長m×22 で求めます。判定法は世界共通の式でも、しきい値は国や民族で異なる点を理解しておくと実用的です。

BMIと健康 高すぎても低すぎても起こる問題
BMIが高い場合は、内臓脂肪の増加を介して糖尿病、高血圧、脂質異常、心血管病、脳卒中、脂肪肝、関節障害などのリスクが高まります。特に腹囲の増大を伴うとメタボリックシンドロームに近づき、動脈硬化関連イベントの危険が上乗せされます。
一方、BMIが低い場合は栄養不足や筋力低下、貧血、月経異常や低出生体重児のリスク増加、高齢者ではフレイルや転倒、骨粗しょう症の危険が目立ちます。健康は真ん中が安全域という発想を持ち、過度な痩せ志向や油断を避けることが大切です。
肥満と肥満症 メタボとの違いを整理する
肥満はBMI25以上という体格の状態を指す言葉で、必ずしも医学的治療を要するとは限りません。肥満に起因する健康障害を合併、あるいは高リスクであると診断されたときは肥満症と呼び、医学的減量の対象になります。これと別に、メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積に血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態を指し、BMIの値だけでなく腹囲が診断の要となります。
BMIだけに頼らない評価 体脂肪率と脂肪分布
同じBMIでも健康リスクは一様ではありません。体脂肪率が高く筋肉が少ない隠れ肥満、逆に筋肉量が多くBMIがやや高めに出るアスリート体型など、組成の違いが背景にあります。さらに、脂肪のつき方も重要です。内臓脂肪型はリンゴ型とも呼ばれ、生活習慣病のリスクが高くなります。皮下脂肪型は洋ナシ型で、代謝リスクは比較的低い傾向です。ウエスト周囲径の測定や体組成の把握をBMIと併用すると、精度の高いセルフチェックになります。

今日からできる実践プラン!!摂取と消費のバランスを整える
持続可能な減量や体重維持の基本は、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスです。標準体重を基に一日の適正エネルギー量を見積もり、食べ過ぎ、まとめ食い、早食いを避け、糖質と脂質の質と量を整えます。主食は食物繊維の多い選択肢を、たんぱく質は魚・大豆・卵・赤身肉を適量、脂質は調理油や揚げ物を控え、間食とアルコールは頻度と量を管理しましょう。運動は週合計で中等度の有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせ、通勤や家事での歩数を底上げします。睡眠不足は食欲ホルモンに影響するため、入眠環境を整え規則正しい生活を意識します。腸内環境の改善も体重管理に寄与する可能性があり、発酵食品や食物繊維、オリゴ糖の摂取は日々の工夫で取り入れられます。

まとめ 数字に振り回されず賢く使いこなそう
BMIは身長と体重だけで算出できる、便利で強力な健康の道しるべです。ただし万能ではありません。数値を入り口に、体脂肪率や脂肪分布、腹囲、血圧や血糖、脂質などの検査結果も合わせて総合的に判断します。標準域から外れている、あるいは体調に不安がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。数字に振り回されず、正しく使いこなすことが、将来の合併症を避ける最短ルートになります。
いかがだったでしょうか。当院では糖尿病患者様を対象に肥満外来をおこなっております。
是非当院までご来院ください。
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