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糖尿病になると白内障になりやすいって本当??原因、治療、予防法を徹底解説!!

札幌駅近く、大通りお駅近くの小野百合内科クリニックです。みなさんは糖尿病患者さんが白内障になりやすいと知っていましたか??糖尿病があると白内障の発症年齢が下がり、進行が速くなる傾向が見られます。見えにくさやまぶしさは日常生活に直結するため、原因と対応を早めに理解することが大切です。本記事では、発症メカニズム、症状、診断、手術の流れと注意点、予防・ケアまでを糖尿病内科の目線から順番に解説します。

なぜ起こるのか|高血糖が水晶体を濁らせる仕組み

高血糖が続くと、水晶体の中でブドウ糖が「ソルビトール」という糖アルコールに変わります。ソルビトールが蓄積すると浸透圧が上がり、水晶体がむくみます。さらに酸化ストレスやタンパク質の糖化(AGEsの形成)が重なり、透明性が落ちます。
加齢性白内障はゆっくり進むことが多いのに対し、糖尿病性白内障は後嚢下白内障皮質白内障が出やすく、短期間で視力が落ちやすい点が異なります。1型糖尿病やコントロール不良の人では、20〜40代で発症することもあります。人間関係に「悩む人」「悩まない人」4つの大きな違い。話すべきは武勇伝ではなく “失敗談” だ。 - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会 人の勉強法&英語学習

どんな症状が出るのか|タイプ別の見え方を押さえる

白内障の症状は濁りの場所と広がり方で変わります。次の変化に気づいたら早めの受診が役立ちます。

  • かすみ・ぼやけ:皮質白内障で起こりやすく、視力検査の数値がまだ保たれていても見えにくく感じます。

  • 急な視力低下と強いまぶしさ:後嚢下白内障で目立ち、明るい場所ほど見えにくくなります。

  • 近視化や視力の変動:核性白内障では近くが一時的に見えやすくなりますが、やがて全体が見えにくくなります。

  • 社会的失明に近い段階:成熟白内障まで進むと、矯正しても0.1未満しか見えず、転倒や事故のリスクが上がります。

セルフチェックの目安
夜間運転がつらい、老眼鏡でも読みにくい、段差でつまずきやすい、片目だけ極端に見えにくい——こうした変化が続くときは受診の合図になります。

診断と見極め方|白内障だけでなく網膜の状態も確認する

眼科では、視力検査と細隙灯顕微鏡検査で水晶体の濁りを評価します。糖尿病がある人では、眼底検査や**OCT(光干渉断層計)**で網膜の状態も確認します。
白内障はレンズの問題、糖尿病網膜症は網膜の血管の問題です。白内障だけなら手術で改善しやすいのですが、網膜症や黄斑浮腫を合併していると、手術後の視力回復が限定的になる場合があります。白内障が進むと眼底の観察自体が難しくなるため、強い濁りを放置しないことが重要です。

どう治すのか|点眼の限界と手術の基本を理解する

点眼治療(ピレノキシンやグルタチオンなど)は進行を緩やかにする可能性がありますが、濁りを元に戻すことはできません。見え方を回復させるには手術が必要です。
標準的な手術は超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入で、局所麻酔・日帰りが一般的です。レーザーアシストを併用すると、切開や核分割の精度が上がりやすく、角膜への負担を減らせる可能性があります。

糖尿病がある場合の注意点

  • 術前:HbA1cを安定させ、低血糖・高血糖の急変を避けます。まぶたの炎症やドライアイがあれば先に整えます。網膜症や黄斑浮腫があるときは、先行治療や同時治療の計画を立てます。

  • 術後:抗菌薬・抗炎症薬の点眼を指示どおりに行い、清潔を保ちます。強い痛み、急なかすみ、視力低下、目の充血があればすぐに連絡します。

レンズ選び|単焦点か多焦点かを生活と眼底所見で決める

  • 単焦点眼内レンズは一つの距離でクリアに見えることが強みです。見えにくい距離は眼鏡で補います。網膜症がある場合は単焦点を優先する流れになりやすいです。

  • 多焦点眼内レンズは眼鏡の依存を下げますが、コントラスト低下やハロー・グレアが出ることがあります。網膜に異常がない、または軽微であることが導入の条件になります。
    若い年齢で手術を受けると調節力を失うため、術後に老眼を自覚しやすくなります。夜間運転の頻度、仕事や趣味で必要な見え方、眼底の状態を総合して医師と相談すると、納得感のある選択につながります。

手術を延期すべき状況|安全性を優先して最適な時期を選ぶ

HbA1cが著しく高い、血糖変動が大きい、黄斑浮腫や増殖網膜症が活動性である——こうした状況では、先に全身と眼底のコントロールを整えます。延期で不便は続きますが、合併症を減らし、術後視力の質を高めるために安全性を優先します。

進行を抑える日常ケア|今日から実践できるポイント

  • 血糖コントロールを最優先にする:急な血糖変動を避け、HbA1cを安定させます。食事・運動・薬物療法を「続けられる形」に調整します。

  • 光刺激を減らす:屋外ではUVカットサングラスを使い、室内は間接照明を活用します。夜間の強いLED光には注意します。

  • 禁煙と節酒を進める:酸化ストレスを減らし、全身の炎症負荷を下げます。

  • 目の乾燥対策を行う:スマホやPCは休憩を挟み、瞬きを意識して人工涙液を活用します。

  • 定期検診を欠かさない:症状がなくても年1回は検診を受け、網膜の状態も含めてチェックします。違和感があれば時期を待たずに受診します。

まとめ|早期発見・血糖管理・適切な手術で視力を守る

糖尿病性白内障は若年でも起こりやすく、進行が速い特徴があります。白内障そのものが失明へ直結することは多くありませんが、放置すると糖尿病網膜症の評価や治療が遅れ、結果的に視機能を損ないます。
早めの受診で状態を把握し、血糖管理を整え、最適なタイミングで手術を受けることで、見え方の改善が期待できます。見え方に「いつもと違う」を感じたときは、自己判断で様子見を続けずに眼科へ相談してください。内科と眼科が連携すれば、治療の安全性と満足度を両立しやすくなります。当院では提携している眼科病院もありますので不安な方はぜひ一度ご相談ください

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック

院長 小野渉

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