札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。糖尿病と診断されると「甘いものは一切ダメなのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。しかし実際には、工夫次第でおやつを楽しみながら血糖コントロールを行うことが可能です。間食を上手に取り入れることでストレスを減らし、次の食事での食べ過ぎ防止にもつながります。本記事では、糖尿病の方におすすめのおやつとその選び方、注意すべきポイントを糖尿病内科の目線から解説します。
目次
糖尿病の方におすすめのおやつと注意点
種類 | 食品例 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
たんぱく質系 | 無糖ヨーグルト、チーズ、ゆで卵、無調整豆乳 | 血糖値を上げにくく、満腹感が得られる | チーズは脂質が多いため食べすぎ注意 |
食物繊維系 | ナッツ、りんご(皮ごと)、キウイ、ブルーベリー | 糖の吸収をゆるやかにし、血糖コントロールに役立つ | ナッツは高カロリー、果物は量を150g以内に |
低糖質系 | 糖質オフチョコ、高カカオチョコ(70%以上)、寒天ゼリー | 甘みを楽しみつつ血糖上昇を抑えやすい | 脂質やカロリーが高い商品もあるため成分表示を確認 |
たんぱく質を意識したおやつ選び
たんぱく質は血糖値の急上昇を防ぐ働きがあり、腹持ちもよいため間食に適しています。代表的な例は無糖ヨーグルトやチーズ、ゆで卵などです。ギリシャヨーグルトや高たんぱくタイプを選べば、少量でも満足感を得やすくなります。ただしチーズは脂質が多く高カロリーのため、1回につきベビーチーズ1~2個程度が目安です。また、無調整豆乳を飲む、豆乳プリンにするなどアレンジを加えるのもおすすめです。筋肉量の維持にもつながるため、長期的な血糖コントロールにも役立ちます。
食物繊維を含むおやつで血糖上昇を緩やかに
食物繊維には糖質の吸収をゆるやかにする働きがあります。ナッツ類(アーモンドやクルミ)は手軽で、噛みごたえがあるため満腹感を得やすいおやつです。ただし脂質とカロリーが高いため、素焼きの個包装タイプを選び、20粒程度に抑えると安心です。またフルーツも適量ならおすすめで、りんご・キウイ・ブルーベリーなどは食物繊維が豊富です。1日150g以内を目安にし、シロップ漬けやドライフルーツは避けるようにしましょう。
低糖質おやつを上手に活用
最近では、コンビニやスーパーでも「低糖質」と表示されたクッキーやチョコレートが増えています。これらは糖尿病の方の強い味方ですが、脂質が多い商品もあるため栄養成分表示の確認が大切です。1回の間食は150〜200kcal以内・糖質10g以下を目安に選ぶと安心です。食後のデザートや午後の活動前など、エネルギーを消費しやすい時間帯に取り入れることで血糖コントロールがしやすくなります。
避けたいおやつと注意点
一方で、砂糖や小麦粉を多く使ったケーキや菓子パン、油で揚げたドーナツやスナック菓子は糖質・脂質ともに多いため、血糖値を急上昇させやすく体重増加にもつながります。和菓子も「低脂質だから安心」と思われがちですが、あんこや餅は糖質のかたまりです。どうしても食べたい場合は小さいサイズを選び、家族とシェアしたり、量を決めてゆっくり食べる工夫をしましょう。清涼飲料水や加糖飲料は特に血糖値を急上昇させるため、水や無糖茶に置き換えることが推奨されます。
おやつのタイミングと食べ方の工夫
「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も血糖管理に影響します。おすすめは活動量の多い日中、特に昼食と夕食の間などです。就寝前や夕食後は血糖値が高い状態が長引きやすいため避けましょう。また、食べる順番を意識するのも有効です。食物繊維→たんぱく質→糖質の順に摂取すると血糖値の上昇がゆるやかになります。ナッツやヨーグルトを先に食べ、後から少量のフルーツを加えると満足感も高まります。
おやつの適量とタイミングの目安
項目 | 推奨目安 | ポイント |
---|---|---|
カロリー | 150〜200kcal以内 | 1日トータルの食事量に含める |
糖質 | 10g以下 | 成分表示を確認する |
タイミング | 昼食と夕食の間(15時頃など) | 活動量が多い時間帯に摂ると血糖上昇を抑えやすい |
食べ方 | 食物繊維 → たんぱく質 → 糖質の順 | 血糖上昇をゆるやかにできる |
まとめ
糖尿病の方にとっておやつは「禁止すべきもの」ではなく、「選び方とタイミングを工夫すれば楽しめるもの」です。たんぱく質や食物繊維を含む食品を意識し、低糖質・低カロリーの商品を上手に活用しましょう。食べる量は200kcal以内、糖質10g以下を目安に抑えることで、血糖コントロールを保ちながらストレスの少ない生活を続けられます。
甘いものを完全に我慢するのではなく、自分に合ったおやつ習慣を見つけることが、糖尿病管理を長続きさせる最大のコツです。
いかがだったでしょうか。また次のブログでお会いしましょう
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉