糖尿病患者と飲料の関係とは??おすすめの飲み物を最新の論文で徹底解説!!

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。2型糖尿病は全世界で急増しており、健康的な飲料選択が患者の寿命と生活の質を大きく左右します。今回は2023年に発表された「糖尿病と飲料の関係についての論文」について糖尿病内科の目線から解説します。最新の研究では、砂糖甘味飲料(SSBs)人工甘味飲料(ASBs)コーヒー、紅茶、水、低脂肪乳、全脂肪乳といった飲料が全死亡率や心血管疾患(CVD)のリスクに与える影響を調査しました。この研究は、アメリカの医療従事者を対象とした大規模な前向きコホート研究に基づいており、糖尿病患者がどのような飲料を選ぶべきかを具体的に示しています。

研究の概要と主な発見

研究では、15,486人の糖尿病患者を対象に、平均18.5年間の追跡調査を実施しました。飲料摂取頻度と死亡率、CVDの発生率を分析した結果、次のような傾向が明らかになりました。

  1. **砂糖甘味飲料(SSBs)**の摂取量が多いと全死亡率が20%増加し、CVDリスクも25%高まりました。
  2. コーヒー、紅茶、水、低脂肪乳の摂取は全死亡率およびCVDリスクの低下と強く関連。
  3. 飲料の置き換え効果が明確に確認され、SSBsを健康的な飲料に置き換えることで死亡率が顕著に低下しました。

例えば、SSBsをコーヒーや紅茶、水、低脂肪乳に置き換えると、それぞれ18%、16%、16%、12%の死亡率低下が見られました。この結果は、飲料選択が糖尿病管理における重要な戦略となることを示唆しています。

飲料別の健康効果

砂糖甘味飲料(SSBs)

高いフルクトース含有量によりインスリン抵抗性や炎症を引き起こし、体重増加や脂質代謝異常が悪化する可能性があります。飲料の中で最も避けるべき選択肢です。

人工甘味飲料(ASBs)

ASBsは低カロリーであるものの、長期的な健康効果については意見が分かれています。しかし、本研究ではSSBsをASBsに置き換えることで死亡率が低下することが確認されました。

コーヒーと紅茶

コーヒーにはクロロゲン酸や抗酸化物質が含まれ、炎症を抑制する効果があります。また、紅茶のカテキンは血糖値や脂質プロファイルを改善する可能性があります。これらは糖尿病患者にとって有益な飲料です。

水はカロリーを含まず、摂取量が多いほど健康に良い影響を与えることが示されました。単純ながらも最も推奨される選択肢です。

低脂肪乳と全脂肪乳

低脂肪乳は心血管リスクの低下と関連があり、全脂肪乳よりも推奨されます。全脂肪乳の飽和脂肪酸は血液脂質に悪影響を及ぼす可能性があるため、控えるべきです。

実践的アドバイス

糖尿病患者が健康的な飲料選択をするためのポイントは次の通りです:

  • 避けるべき飲料:砂糖甘味飲料(SSBs)。
  • 積極的に摂取すべき飲料:コーヒー、紅茶、水、低脂肪乳。
  • 置き換えの実践:SSBsを健康的な飲料に置き換えることで、死亡率やCVDリスクを効果的に低減できます。

まとめ

この研究は、糖尿病患者における飲料選択の重要性を強調しています。特に、SSBsの摂取を控え、コーヒー、紅茶、水、低脂肪乳を選択することが、長期的な健康維持に寄与する可能性があります。

飲料選択の見直しは簡単なように思えますが、患者の健康に大きな影響を与える可能性があります。医療従事者は、患者が具体的な選択肢を理解し実践できるよう支援することが求められます。

参考文献

いかがだったでしょうか今回はこの辺で。

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック

院長:小野渉

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