ブログ

糖尿病でもバレンタインは楽しめる!医師が教える「血糖値を上げないチョコ」の選び方

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。街はバレンタインムード一色で、百貨店には美しいチョコレートが並んでいますね。先日、糖尿病で通院されている患者様から、診察室で少し寂しそうな顔でこんな相談を受けました。「先生、もうすぐバレンタインですけど、私はもう一生チョコレートを楽しむことはできないんでしょうか。妻が『あなたには毒だから』と、今年はチョコの代わりに靴下をくれると言っていて…」と。糖尿病と診断された途端、甘いものは全て敵と思い込んでしまう方は少なくありません。しかし、選び方と量さえ間違えなければ、糖尿病の方でもチョコレートを楽しむことは十分に可能です。それどころか、最新の研究ではある種類のチョコレートが血糖値の改善に役立つ可能性まで示唆されています。今日は、医学的なエビデンスに基づいた、糖尿病患者さんのための賢いチョコレートの楽しみ方について糖尿病内科医の目線から徹底解説します。バレンタイン特集2025/チョコレート人気ブランドランキング25選!有名ブランド一覧 - 西武・そごうのオンラインストア e.デパート

ダークチョコレートが糖尿病リスクを下げるという最新エビデンス

チョコレートは糖尿病の敵という常識を覆すような研究結果が、2024年にハーバード公衆衛生大学院などのチームから発表されました。約20万人を30年以上追跡した大規模な調査によると、カカオ含有率の高いダークチョコレートを週に5回以上食べていた人は、全く食べない人に比べて2型糖尿病の発症リスクが21パーセントも低かったのです。一方で、ミルクチョコレートではこのような効果は見られず、むしろ体重増加のリスクとなることが示されました。カカオに含まれるポリフェノールの一種であるフラボノイドには、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げるホルモンが効きやすい体にする働きがあると考えられています。つまり、カカオ分70パーセント以上のハイカカオチョコレートであれば、単なる嗜好品ではなく、健康を守るサプリメントのような役割も期待できるのです。ダークチョコレートは高血圧のリスクを下げる:話題の論文 拾い読み!:日経Gooday(グッデイ)

インスリンの働きを助けるカカオフラボノイドの抗酸化作用

なぜチョコレートが糖尿病に良い影響を与えるのでしょうか。そのメカニズムについて、2017年の総説論文ではカカオに含まれる抗酸化物質の働きが詳しく解説されています。糖尿病の病態には、酸化ストレスや慢性的な炎症が深く関わっていますが、カカオフラボノイドはこれらの炎症を抑える強力な抗酸化作用を持っています。さらに、インスリンの分泌を改善し、インスリン抵抗性(効きにくさ)を改善する可能性も報告されています。動物実験や細胞実験だけでなく、ヒトを対象とした試験でも有益なデータが集まってきており、適度なカカオ摂取は糖尿病の管理においてプラスに働く食品であると言えるでしょう。

合併症の一つである神経障害の予防にも期待ができる

糖尿病の合併症の中で最も早く現れるのが、手足のしびれなどの神経障害です。2025年に発表された最新の臨床試験では、カカオポリフェノールを含むサプリメントを摂取した糖尿病患者さんにおいて、神経障害に関連する数値の改善傾向が見られたという報告があります。これはカカオの持つ成分が、高血糖によってダメージを受けやすい末梢神経や自律神経を守ってくれる可能性があることを示唆しています。単に血糖値を上げないだけでなく、将来の合併症予防という観点からも、高カカオチョコレートは糖尿病患者さんの強い味方になり得るのです。

バレンタインに選ぶならカカオ70パーセント以上が鉄則

もうすぐバレンタインですが、もしご家族やご自身のためにチョコレートを選ぶなら、パッケージの裏側を必ず確認してください。カカオ70パーセント以上、できればカカオ86パーセントといった表記があるものが合格ラインです。食べる量は1日25g程度、板チョコなら4かけから5かけを目安にしましょう。食べるタイミングは食前がおすすめです。カカオに含まれる食物繊維と脂質が、後から入ってくる食事の糖質の吸収を緩やかにし、食後の急激な血糖値上昇を抑える効果が期待できます。奥様やパートナーの方にも、カカオ70パーセント以上のチョコなら、健康のためにむしろ食べた方がいいんだってと、ぜひこの記事を見せてあげてください。

患者様からよくあるQ&A

Q. 高カカオチョコは苦くて苦手です。何かいい食べ方はありますか?

A. 確かにカカオ86パーセントや95パーセントになると苦みが強く、薬のように感じる方もいます。無理せず70パーセントから72パーセント程度のものから始めてみてください。また、無糖のヨーグルトに刻んで入れたり、温かい豆乳に溶かしてココア風にしたりすると、苦みが和らいで美味しくいただけます。

Q. アーモンドチョコレートなら体に良さそうですが、どうですか?

A. アーモンド自体はビタミンEや食物繊維が豊富で良い食品ですが、市販のアーモンドチョコはコーティングされているチョコがミルクチョコレートであることが多いです。食べるなら、高カカオチョコでコーティングされたアーモンドチョコを選ぶか、素焼きのアーモンドと高カカオチョコを交互に食べるのがおすすめです。

Q. 糖尿病の薬を飲んでいますが、チョコとの食べ合わせで気をつけることはありますか?

A. 一般的な糖尿病薬とチョコレートの飲み合わせで特に危険なものはありません。ただし、カフェインが含まれているため、不眠気味の方は夕方以降の摂取を控えた方が良いでしょう。また、カロリー制限がある場合は、チョコを食べた分(約150kcal)だけ、ご飯を軽く半分減らすなどの調整をすると完璧です。

まとめ

糖尿病だからといって、バレンタインの楽しみを諦める必要はありません。最新の研究でも、カカオ分70パーセント以上のダークチョコレートなら、適量(1日25g程度)を摂ることで血糖コントロールや合併症予防にプラスに働く可能性が示されています。甘いミルクチョコではなく、少しビターな大人の味を、食前にゆっくりと味わう。そんな新しい習慣で、心も体も満たされるバレンタインをお過ごしください。

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック 院長 小野渉

当院では糖尿病外来、糖尿病患者を対象とした肥満外来、管理栄養士による栄養指導を行っております。ご興味のある方はぜひご来院ください

参考文献

  1. Liu B, et al. Chocolate intake and risk of type 2 diabetes: prospective cohort studies. BMJ. 2024 (Note: Based on supplied context regarding large cohort observation).

  2. Ramos S, et al. Effects of Cocoa Antioxidants in Type 2 Diabetes Mellitus. Antioxidants (Basel). 2017;6(4):84.

  3. Kababie-Ameo A, et al. Effect of Cocoa Supplementation on the Biochemical and Clinical Profile and the Somatosensory Processing of Diabetic Peripheral and Autonomic Neuropathy: A Randomized Clinical Trial. Nutrients. 2025 (Note: Based on supplied context).

キーワード
ランキング