札幌駅近く、大通り駅近区の小野百合内科クリニックです。年越しも過ぎればあっという間にバレンタインですね。今回はそんなバレンタインのチョコレートに関する論文をブログにしました、チョコレートは単なる美味しいおやつではなく、特定の健康条件の管理に役立つ可能性があることが、最近の研究で明らかになりました。特に、フラバノールが豊富なダークチョコレートは、心臓病のリスクを減少させる効果があるとされています。今回はそんなダークチョコレートについての論文と、おすすめの手作りスイーツについて糖尿病内科医の目線からまとめてみました。
研究の背景と方法
この研究では、高血圧を持ち、耐糖能が低下している(IGT)19人の患者に対し、フラバノール豊富なダークチョコレート(FRDC)とフラバノールを含まないホワイトチョコレート(FFWC)の影響を比較しました。参加者はランダムにどちらかのチョコレートを毎日100g消費し、15日間の治療後、一定期間を置いて交換し、もう一方のチョコレートを同様に摂取しました。
主な発見
ダークチョコレートを摂取したグループでは、以下のような顕著な健康改善が見られました。
- インスリン感受性の向上:ダークチョコレートはインスリン抵抗性を低下させ、インスリンの感受性を高めることが確認されました。
- 血圧の低下:収縮期および拡張期の血圧が有意に低下しました。
- 血管機能の改善:血管の流れを促進する内皮機能が向上しました。
- コレステロールレベルの改善:総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が有意に減少しました。
これらの結果は、ダークチョコレートが心血管疾患のリスク要因を改善する可能性を示唆しています。
インスリン感受性と心血管健康
研究によると、インスリン感受性の改善は、血圧の低下や血管機能の改善と密接に関連しています。これは、フラバノールが血管内皮の一酸化窒素(NO)の生物利用性を高めることにより、これらの健康効果を促進する可能性があることを示唆しています。
まとめ
この研究は、フラバノール豊富なダークチョコレートが高血圧と耐糖能障害を持つ患者の心血管健康に好影響を及ぼすことを示すものです。ただし、ダークチョコレートの摂取がすべての人に推奨できるわけではなく、特にカロリー摂取が懸念される場合は注意が必要です。最終的に、心臓病リスクを減少させるために、フラバノール豊富な低エネルギーのココア製品の開発が推奨されます。これらの知見は、将来の臨床試験においてさらに検討される必要がありますが、日常的な食生活における適切なダークチョコレートの利用は、心臓の健康をサポートする助けになるかもしれません。
当院では高血圧を含めた生活習慣病外来を行っております。高血圧が気になる方はぜひご来院ください。
いかがだったでしょうか、最後にダークチョコレートを使ったおすすめスイーツレシピを紹介します。
ダークチョコレートのおすすめレシピ
ダークチョコレートを使ったスイーツをいくつかまとめてみました。
ぜひ作ってみてください。
- ダークチョコレートとナッツのエナジーバー
-
- 材料:ダークチョコレート、オーツ麦、アーモンド、カシューナッツ、はちみつ(またはメープルシロップ)
- 作り方:オーツ麦とナッツをローストし、溶かしたダークチョコレートと混ぜ合わせます。型に入れて冷やし固めたらカットして完成。
- アボカドとダークチョコレートのムース
-
- 材料:熟したアボカド、カカオパウダー、ダークチョコレート、甘味料(砂糖、はちみつなど)
- 作り方:アボカドをピューレにし、溶かしたダークチョコレート、カカオパウダー、甘味料を混ぜ合わせます。滑らかになるまでよく混ぜたら、冷蔵庫で冷やして固めます。
- ダークチョコレートディップのフルーツ串
-
- 材料:ダークチョコレート、季節のフルーツ(いちご、バナナ、キウイなど)、串
- 作り方:フルーツをカットし串に刺します。ダークチョコレートを溶かし、フルーツ串をディップして冷蔵庫で冷やし固めます。
参考文献