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高血圧にスクワットは効果ある?血圧を下げる運動とウォールスクワットを医師が解説

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。

健康診断で血圧の高さを指摘され、毎日スクワットを100回始めたという患者さんがいらっしゃいました。運動を始める行動力はとても大切です。ただし、血圧管理という点では、回数を増やすことが必ずしも正解とは限りません。一生懸命になりすぎて体に大きな負担をかけてしまっては、せっかくの取り組みがもったいない結果につながることもあります。血圧を下げるための運動では、きつい運動をたくさん行うことよりも、体に無理のない方法を継続することが大切です。今回は、運動療法に関する最近の研究をもとに、信頼できるスクワットの知識をお伝えします。How to do a wall sit | Tom's Guide

血圧管理におけるスクワットの回数より大切な継続性

これまで高血圧の改善や予防といえば、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が定番とされてきました。ただし近年は、有酸素運動に加えて、筋肉に力を入れた状態を保つ等尺性運動にも注目が集まっています。2023年に報告されたメタ解析では、270件ものランダム化比較試験を含む大規模なネットワーク解析が行われ、運動の種類ごとに安静時の血圧への効果を比較しました。その結果、筋肉を大きく動かさずに一定の姿勢で力を入れ続ける等尺性運動が、血圧低下に有効な運動カテゴリとして確認されています。その中でも、壁に背中をつけて姿勢を保つウォールスクワットは、収縮期血圧を下げるための選択肢として挙げられています。High blood pressure: Why me? - Harvard Health

壁を使ったウォールスクワットによる収縮期血圧の低下効果

では、実際にウォールスクワットを行うことで、どの程度の効果が期待できるのでしょうか。未治療の高血圧成人77人を対象とした研究では、参加者をハンドグリップ運動を行うグループ、ウォールスクワットを行うグループ、指定の運動を行わないグループに分けて比較を行いました。最初の12週間は週3回の頻度で運動を実践してもらい、その後の12週間は週1回に減らして維持効果を観察しています。その結果、12週が経過した時点で、ウォールスクワットを行ったグループの収縮期血圧は平均して約12.9mmHgの低下が報告されており、運動をしなかったグループに比べて明らかな差が認められました。研究では週3回の実施で血圧低下が報告されていますが、実際の効果には個人差があり、食事や体重管理などを含めた総合的な管理が重要です。

血圧が高めの段階から始める生活習慣の見直し

この壁を使ったスクワットは、すでに高血圧と診断された方だけでなく、血圧が高めになり始めている高血圧前段階の方にとっても、取り入れやすい運動の一つと考えられます。高血圧前段階の人ほど、薬物治療を始める前に生活習慣を整える余地が多く残されているからです。従来の等尺性運動の研究では、専用の機器や細かな負荷の設定が必要なものが多く、一般の方が自宅で継続するにはハードルが高いという課題がありました。しかし、特別な道具を必要とせず、自分の体重と壁さえあればどこでもできるシンプルなウォールスクワットは、減塩や体重管理、有酸素運動に加えて、無理なく日常生活に組み込める現実的な方法として役立ちます。

自宅で無理なく取り組めるウォールスクワットの具体的な実践方法

ここで、具体的なウォールスクワットの実践方法を説明します。まず、壁に背中をつけ、足を壁から少し前に出します。そこからゆっくりと膝を曲げ、太ももに力が入る位置で姿勢を保ちます。膝とつま先の向きをそろえ、膝に痛みが出ない深さで行ってください。最初は浅めの角度から始め、1回につき20秒から30秒程度キープすることを目安にします。まずは20〜30秒を1セットとして、1〜2セットから始めるとよいでしょう。運動中に最も気をつけるべきなのは、力を入れるあまり息を止めてしまうことです。息を止めると一時的に血圧が急上昇してしまい、血管に過度な負担がかかるため、常に自然な呼吸を意識しながら行うことが大切です。

降圧薬治療との併用における注意点と医師への相談基準

ウォールスクワットは手軽で実践しやすい方法ですが、高血圧治療において非常に重要な注意点があります。まず、この運動で血圧が下がる可能性はありますが、医師から処方されている降圧薬を自己判断で減らしたり中止したりすることは危険です。あくまでも治療をサポートするための補助的な役割として位置づける必要があります。また、ウォールスクワットは静止して行う運動ですが、等尺性運動特有の血圧上昇リスクも含んでいます。そのため、収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が110mmHg以上など明らかに血圧が高い方、胸痛・息切れ・動悸・めまいがある方、心疾患や脳血管疾患の既往がある方は、自己判断で始めず必ず医師に相談してください。2,063,500+ Docter Stock Photos, Pictures & Royalty-Free Images - iStock | Asian docter, Docter mask, Black docter

まとめ

血圧管理では、運動を頑張ること自体は大切ですが、きつい運動を毎日続けることだけが正解ではありません。ウォールスクワットのような等尺性運動は、自宅で取り入れやすい方法の一つです。ただし、高血圧の治療は運動だけで完結するものではありません。血圧が下がる可能性はあっても、降圧薬の自己中断は危険です。血圧が高い状態が続く方や不安がある方は、自己判断で様子を見るのではなく、医療機関で原因や適切な治療方針を確認することが大切です。

患者様からよくあるQ&A

Q1. ウォールスクワットは1回につき何秒くらいキープすれば良いですか?

A1. 最初は1回につき20秒から30秒程度を目安にキープすることをおすすめします。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしても良いですが、息を止めずに呼吸を続けられる範囲で行うことが最も重要です。

Q2. 膝や腰が痛いのですが、無理をしてでも行ったほうが効果はありますか?

A2. 決して無理をしてはいけません。関節に痛みがある場合は痛みを悪化させる原因になります。壁に寄りかかる深さを浅くするなど負荷を調節し、それでも痛む場合はすぐに中止して医師にご相談ください。

Q3. 毎日行ったほうが早く血圧が下がりますか?

A3. 毎日行う必要はありません。研究データでは週に3回程度の頻度で血圧低下が報告されています。筋肉を休める時間も大切ですので、1日おきなど無理のないペースで長く続けることを意識してください。ただし、効果には個人差があります。

札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック 院長 小野渉

当院では糖尿病外来、生活習慣病外来、高血圧・脂質異常症の診療、糖尿病患者を対象とした肥満外来、管理栄養士による栄養指導を行っております。 札幌市、札幌駅近郊で糖尿病、生活習慣病、肥満にお悩みの方はぜひご来院ください。

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