札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです。
「先生、SNSでマンジャロをやめると元の体重に戻ってしまうという話を聞いたのですが、本当ですか」 最近、診察室でこのようなご相談を受けることが増えました。一度痩せればその体重を維持できると誤解されがちですが、治療中止後に体重が再増加するケースは実際に起きています。今回は、薬をやめた後のリバウンドの現実と長期的な体重管理について、最新の医学データをもとにお話しします。なお、日本においてマンジャロは2型糖尿病治療薬であり、肥満症に対して承認されている同成分の製剤はゼップバウンドであることを事前にお伝えしておきます。

目次
マンジャロ中止後に待ち受ける体重増加の現実
マンジャロ(成分名:チルゼパチド)は優れた減量効果が期待できる一方、治療を中止すると薬による体重減少効果がなくなり、体重が再増加しやすいことが分かっています。最新のSURMOUNT-4試験では、36週間チルゼパチドを使用して平均約21%減量した後、薬を中止したグループでは、その後1年間で中止時の体重から平均14%増加しました。また、同じインクレチン関連薬であるセマグルチドのSTEP 1延長試験でも、中止後1年間で減量した体重のおよそ3分の2が戻ったと報告されています。
生活習慣に取り組んでも体重維持が難しい場合がある
薬をやめても食事や運動に気をつけていれば維持できると考える方は多いかもしれません。しかし、セマグルチドを用いたSTEP 4試験では、生活習慣への介入を続けていても、薬を中止したグループではその後48週間で平均6.9%体重が再び増加しました。
一方で薬を継続したグループはさらに平均7.9%の減量に成功しています。努力だけで、薬の効果が切れた後の生理的な変化を抑え込むことは容易ではありません。
治療開始時から見据えるべき運動習慣の意義
リラグルチドまたは運動による治療終了後を1年間追跡した研究では、リラグルチド単独で治療していた群は、監督下での運動を行っていた群より体重の再増加が平均6.0kg大きかったと報告されています。
一方、リラグルチドと運動を併用していた群との差は明確ではありませんでした。成分や研究条件は異なりますが、薬による治療中から運動習慣を整えることが、中止後の体重管理に役立つ可能性があります。
美容目的の減量とは異なる肥満症の長期管理
臨床試験のデータが示す通り、多くの人に体重の再増加が認められています。ここで重要なのは、単なる美容目的の減量と、医学的な治療が必要な肥満症という慢性疾患を明確に区別することです。
肥満症の治療は高血圧や糖尿病と同様に長期的な管理が必要であり、短期間だけ薬を使用して終了するのではなく、長期的な計画の一部として考える必要があります。

患者様からよくあるQ&A
Q. マンジャロをやめると、元の体重まで戻ってしまいますか?
A. すべての方が元の体重まで戻るわけではありませんが、中止後に減量した体重の一部が戻る可能性があります。戻る程度には個人差があるため、治療開始時から中止後まで見据えて体重管理を行うことが大切です。
Q. リバウンドを防ぐために、薬を少しずつ減らすのは効果的ですか?
A. 現在のところ、リバウンドを防ぐための確実な減量や中止方法は確立していません。自己判断で薬の量や回数を減らすことはせず、必ず主治医と相談しながら治療計画を立ててください。
Q. ずっと薬を使い続けなければならないのでしょうか?
A. 肥満症は長期的な管理が必要なため、薬物療法も長期間継続することがあります。ただし、全員が一生使い続けるわけではなく、効果、副作用、費用、体重や合併症の変化を確認しながら、継続や中止を定期的に判断します。
まとめ
マンジャロをやめると必ずリバウンドするわけではありませんが、多くの人で体重の再増加が起こります。薬の効果が切れた後に生活習慣だけで体重を維持することは容易ではないため、治療開始前から中止後までを含めた長期的な計画が重要です。慢性疾患である肥満症の治療として、医師と相談しながら無理のない体重管理を続けていきましょう。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック 院長 小野渉
当院では糖尿病外来、生活習慣病外来、糖尿病患者を対象とした肥満外来、管理栄養士による栄養指導を行っております。 札幌市、札幌駅近郊で糖尿病、生活習慣病、肥満にお悩みの方はぜひご来院ください。
【引用論文一覧】


