札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニックです日本の夏が始まると、高温多湿な環境で多くの人々が水虫に悩まされます。実は水虫は日本人の5人に一人がかかっているとてもポピュラーな疾患です。また糖尿病を患っている方にとっては、この時期における水虫の対策が非常に重要です。なぜなら、糖尿病患者は免疫力が低下しやすく、水虫から足の感染症にかかりやすいからです。今回は、「糖尿病と水虫」について、糖尿病内科医の目線から解説します。皆さんもこのブログを読んで夏を乗り切るための予防・改善のための9ヵ条を実践して水虫予防をしましょう!!
糖尿病と水虫の関係
糖尿病患者の中には、血糖値が高い状態が続くことで免疫力が低下し、白血球や免疫に関わる細胞の機能が十分に働かなくなるケースが見られます。このような状態では、白癬菌を含む病原菌に対する抵抗力が落ちてしまい、水虫に感染しやすくなります。また、糖尿病の合併症として神経障害を発症すると、感覚が鈍くなり、足にできた傷や感染に気づきにくくなることもあります。
日本人の5人に1人が水虫
水虫は日本では非常に一般的で、日本人の5人に1人が水虫に悩まされていると言われています。水虫の原因は、白癬菌というカビの一種です。この菌は、床やバスマット、スリッパなどに付着し、湿度が高く温度が適した環境で増殖します。糖尿病患者にとって、こうした菌に対する対策が特に重要です。
糖尿病患者が特に気をつけるべき理由
糖尿病患者が水虫にかかると、通常の水虫よりも症状が重くなりやすい傾向があります。糖尿病により免疫機能が低下し、感染症が進行しやすくなるためです。特に足に起こる水虫は、足の皮膚が破れることで細菌が侵入しやすくなり、最悪の場合、足の壊死や切断に至る可能性もあります。こうしたリスクを避けるためにも、早期の発見と適切な治療が求められます。
水虫を予防・改善するための9ヵ条
以下に、糖尿病患者が水虫を予防・改善するための9つのポイントを紹介します。
- 足の状態を毎日チェックする
足の痛み、切り傷、ひび割れ、水ぶくれ、発赤などを確認し、異常がないかをチェックしましょう。特に足の裏や指の間は見逃しがちなので、鏡を使ってしっかり確認することが大切です。 - 足を丁寧に洗う
毎日入浴し、足の裏全体や指と指の間を1本1本丁寧に洗うようにしましょう。石鹸を使って優しく洗うことがポイントです。 - 足を強くこすらない
ナイロンタオルや軽石で足をゴシゴシとこすらないように注意しましょう。傷ができると、そこから白癬菌が侵入しやすくなります。 - 足をしっかり乾かす
入浴後は足の裏や指と指の間をタオルで十分に拭き、よく乾かしてください。湿った状態では白癬菌が繁殖しやすくなります。 - 通気性の良い靴を履く
蒸れにくい靴やサンダルを選び、水虫が好む湿気の多い環境を避けるようにしましょう。2足の靴を交互に履くことで、靴の湿気を防ぐことも効果的です。 - 足の保湿を行う
乾燥していると皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな菌が入りやすくなります。足全体の保湿を行い、皮膚のバリア機能を維持しましょう。ただし、指と指の間には保湿剤を塗らないようにしましょう。 - サンダルやスリッパを共有しない
家族や他人とサンダルやスリッパを共有することは避けましょう。特に家族に水虫の人がいる場合は、専用のものを用意することが望ましいです。 - 共同で使う施設では素足を避ける
プールやスポーツジム、温泉などの公共施設では、素足で歩かないようにしましょう。帰宅後には足をしっかり洗うことが大切です。 - 異常があったら皮膚科を受診する
水虫やその他の足の異常が見られた場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう。早期の診断と適切な治療が、重症化を防ぐ鍵となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。糖尿病患者にとって、水虫は単なる不快な症状ではなく、放置すると深刻な健康リスクに発展する可能性があります。日々の足のケアを徹底し、足に異常が見られた場合はすぐに医療機関を受診することが大切です。今回紹介した9つのポイントを実践し、高温多湿な夏を健康的に乗り切りましょう。当院では資格を持った看護師によるフットケアも行っております。心配な方は是非スタッフまでお声がけください。
札幌駅近く、大通駅近くの小野百合内科クリニック
院長 小野渉