高尿酸血症・痛風

「風が吹くだけでも痛い」と言われる痛風。
その正体は、「高尿酸血症」という血液の異常状態にあります。

現代の日本人では、特に成人男性に多く、年齢層によって差はあるものの、おおむね約20%前後が高尿酸血症に該当するとされています。30歳以上の男性では20〜30%程度とする報告もあり、決して珍しい病気ではありません。

放置すると、関節の激しい痛みだけでなく、腎障害や心血管疾患などの重大な合併症を引き起こすリスクがあります。

本記事では、高尿酸血症の仕組みから症状、原因、治療、予防までを、内科医の視点で分かりやすく解説します。

「尿酸値が高い」と「痛風」は何が違う?

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「尿酸値が高い=痛風」と誤解されがちですが、両者は明確に異なります。
この違いを正しく理解することが、将来の健康管理につながります。
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スマート降圧療法

当クリニックでは「スマート降圧療法(スマートフォンを使った生活指導)」を実施しています。2022年に保険適用となった新しい治療法で、臨床試験では薬剤を使用せずに血圧を下げる効果が示されました。

薬剤治療を希望されない方や、薬剤の量を減らしたい方はお気軽にご相談ください。さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

高尿酸血症は「予備軍」ではなく、すでに病気の状態

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が 7.0mg/dL を超えている状態を指します。
多くの方は関節の痛みを伴わない「無症候性高尿酸血症」ですが、痛みがないから健康というわけではありません。血液の状態としては、すでに異常が起きています。

痛風は高尿酸血症の「結果」として起こる

痛風は、高尿酸血症が長期間続いた結果、関節内に溜まった尿酸結晶が剥がれ落ち、急激な炎症を起こした状態です。
状態 内容 自覚症状
高尿酸血症 血液中の尿酸値が基準値 ほぼなし
痛風発作 尿酸結晶による急性炎症 激痛、腫れ、熱
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痛みがなくても放置してはいけない理由

高尿酸血症を放置すると、以下のリスクが自覚症状のないまま進行します。

動脈硬化の進行(心筋梗塞・脳梗塞)

腎障害(痛風腎)(将来的に透析が必要になることも)

尿路結石(背中や脇腹の激痛)

高尿酸血症とは?診断基準と特徴

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高尿酸血症の診断基準は、尿酸値 7.0mg/dL超です。
尿酸は体内代謝によって生じる老廃物ですが、排泄が追いつかなくなると体内に蓄積し、関節内で針状の尿酸塩結晶を形成します。
なお、高尿酸血症の方すべてが痛風になるわけではありません。
痛風発作を経験するのは約10〜20%とされています。
しかし、発作が起きなくても、腎臓や血管へのダメージは確実に進行します。
そのため、高尿酸血症は「症状が出てから治す病気」ではなく、「数値の段階で管理すべき病気」です。
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高尿酸血症は男性に多い病気

高尿酸血症は、女性よりも男性に多くみられる傾向があります。
日本人では、男性が約20%前後、女性が約5%前後とされています。これは、女性ホルモン(エストロゲン)に尿酸の排泄を促す作用があるためです。
そのため、閉経前の女性では尿酸値が比較的低く保たれますが、閉経後には女性でも尿酸値が上昇しやすくなり、男女差は次第に縮小する傾向があります。
なお、これらの数値や男女差はあくまで頻度の傾向を示すものであり、実際のリスクは年齢や体質、生活習慣によって大きく異なります。

サイレントキラーとしての側面

尿酸値が高いだけでは、ほとんど自覚症状がありません。
健康診断で初めて指摘されるケースが大半であり、定期的な検査が重要です。

高尿酸血症(痛風)の主な症状

痛風発作(急性関節炎)

最も代表的な症状で、特に足の親指の付け根に起こりやすいのが特徴です。

関節の腫れ、赤み、熱感

歩行困難になるほどの激痛

1〜10日ほどで軽快するが再発しやすい

多くは夜間から明け方にかけて突然発症します。
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合併症

腎障害:尿酸結晶による腎機能低下

尿路結石:激しい腹背部痛

心血管疾患:高血圧・動脈硬化の進行

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スマート降圧療法

当クリニックでは「スマート降圧療法(スマートフォンを使った生活指導)」を実施しています。2022年に保険適用となった新しい治療法で、臨床試験では薬剤を使用せずに血圧を下げる効果が示されました。

薬剤治療を希望されない方や、薬剤の量を減らしたい方はお気軽にご相談ください。さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

原因:なぜ尿酸値が上がるのか?

尿酸値の上昇は、体質(遺伝)と生活習慣の組み合わせで起こります。

生活習慣の影響

プリン体の多い食事(内臓、干物、魚卵など)

過度な飲酒(アルコールの種類は問わない)

肥満・運動不足

強いストレス

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遺伝的要因

家族に痛風の方がいる場合、尿酸を作りやすい、または排泄しにくい体質の可能性があります。

当院での治療

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生活習慣の改善のみで尿酸値が 6.0mg/dL以下 にならない場合、薬物療法を検討します。

主な治療薬

尿酸生成抑制薬:尿酸を作りすぎるタイプ向け

尿酸排泄促進薬:尿酸を排泄しにくいタイプ向け

治療時の重要な注意点

尿酸値が正常範囲であっても、急激な変動により痛風発作が起こることがあります。
特に、薬の開始直後や急激な食事制限時は注意が必要です。

治療は必ず医師の管理下で、徐々に尿酸値を下げることが重要です。

高尿酸血症の改善・予防策

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食事療法

高尿酸血症の管理では、まず食事内容の見直しが基本となります。
プリン体は尿酸の材料になるため、「完全に避ける」のではなく摂りすぎないことが重要です。極端な制限は栄養バランスを崩し、かえって体調不良やリバウンドの原因になることがあります。

アルコールは種類を問わず尿酸値を上昇させる作用があるため、量と頻度を意識した節酒が必要です。休肝日を設けることも有効です。

また、水分を十分に摂ることで尿量が増え、尿酸の排泄が促されます。特別な飲料は不要で、水やお茶を中心に1日約2Lを目安にしましょう(心疾患や腎疾患がある場合は医師に相談してください)。

野菜、海藻、きのこ類、低脂肪の乳製品は、尿酸値を上げにくく、栄養面でも優れているため、日常的に取り入れることが勧められます。

運動療法

適度な運動は、体重管理やインスリン抵抗性の改善を通じて、尿酸値の安定に役立ちます。
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を無理のない範囲で継続することが大切です。

一方で、短時間に強い負荷がかかる筋トレや無酸素運動は、エネルギー代謝の急激な変化により、一時的に尿酸値が上昇したり、痛風発作を誘発する可能性があります。運動内容や強度は、体調に合わせて調整しましょう。

その他の生活習慣

体重管理は高尿酸血症対策の重要な柱です。
ただし、急激なダイエットは尿酸値を上昇させることがあるため、緩やかな減量を心がけます。

また、睡眠不足や慢性的なストレスはホルモンバランスや代謝に影響し、尿酸値の上昇につながることがあります。
十分な睡眠を確保し、自分に合った方法でストレスをコントロールすることも、長期的な予防につながります。

FAQ


高尿酸血症(痛風)に関するよくあるご質問

放置せず、早めの受診を

高尿酸血症は、単なる「足の痛みの前段階」ではありません。
腎不全や心疾患を防ぐための重要な体のサインです。
特に以下に当てはまる方は注意が必要です。

家族に痛風の方がいる

肥満傾向がある

飲酒習慣がある

プリン体の多い食事が多い

40歳以上の男性

尿酸値 7.0mg/dL以上 を指摘されたら、症状がなくても医療機関を受診しましょう。
早期発見・早期対応が、将来の健康を守る最善策です。