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札幌駅近く、大通り駅近くの小野百合内科クリニックです。糖尿病が目に悪いと聞いたことがあると聞いたことがある人も多いと思います。実際に糖尿病は成人の失明の2位になっています。今回は糖尿病眼学会によって作成された「糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版)」についてまとめてみました。このブログを読んで糖尿病網膜症についての理解を深めれたら幸いです。
糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜の微細な血管が障害されることで発生します。これは、眼底に出血や浮腫が起こる疾患で、重症化すると視力低下を引き起こします。しかし、自覚症状がほとんどないため、定期的な眼科検診が非常に重要です。
重要な視機能障害を引き起こす主な病状
- 増殖糖尿病網膜症による硝子体出血: 網膜新生血管の破裂により、眼球内に出血が起こります。これが多量になると視力が大きく低下します。
- 牽引性網膜剥離: 網膜新生血管の進行と線維血管増殖膜の形成により、網膜が引っ張られて剥がれます。これが黄斑部で起こると、視力低下が発生します。
- 血管新生緑内障: 網膜血流の悪化により、虹彩に新生血管が形成され、眼圧が極端に高くなります。これは痛みを伴い、失明に至ることもあります。
- 糖尿病黄斑浮腫: 網膜中心部である黄斑部の浮腫により、視力低下が起こります。
治療方法
- 硝子体手術: 増殖糖尿病網膜症による硝子体出血や牽引性網膜剥離に対する治療を行います。
- 眼圧を下げる治療: 血管新生緑内障に対して、薬剤の点眼や内服、手術が行われます。
- 抗血管内皮増殖因子阻害剤: 糖尿病黄斑浮腫に対して、目の中に注射する治療を行います。
予防と管理
糖尿病網膜症の進行を防ぐためには、血糖や血圧の良好なコントロールが必須です。定期的な眼科検診により、早期発見と早期治療が可能になります。これにより、視力の低下を防ぎ、生活の質を維持することができます。
まとめ
糖尿病網膜症は、糖尿病患者にとって重大な合併症の一つです。しかし、適切な管理と治療により、重症化を防ぎ、良好な視機能を維持することが可能です。定期的な眼科検診を受け、早期に問題を発見し、適切な治療を行うことが重要です。糖尿病の患者様は年に一回の眼科検診を行いましょう。
今回はこの辺りで。また次のブログでお会いしましょう。
札幌駅、大通り駅近くの小野百合内科クリニック。
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