高血圧とは
「健康診断で血圧が高いと指摘されたものの、特に症状がないため様子を見ている」
「できれば薬に頼らず、生活習慣の改善で血圧を下げたい」
このようなお悩みや疑問をお持ちの方は、決して少なくありません。
高血圧は、自覚症状が出にくい一方で、知らないうちに血管へ負担をかけ続ける病気です。そのため「サイレントキラー」とも呼ばれています。放置すると、脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患につながる可能性があります。
しかし、日々の生活習慣を少し意識することで、血圧は十分にコントロールすることが可能です。
この記事では、高血圧の基本的な考え方に加え、血圧を下げるために今日から実践できる具体的な対策や、よくあるご質問についてわかりやすく解説します。
高血圧とはどんな病気?

なお、病院や健康診断で一度だけ血圧が高く測定された場合、それだけで高血圧症と診断されるわけではありません。
● 収縮期血圧(最高血圧):140mmHg以上
● 拡張期血圧(最低血圧):90mmHg以上
高血圧の危険性
頭痛やめまい、肩こりといった症状がないまま、気づかないうちに進行することもあります。
● 脳出血
● 脳梗塞
● 心筋梗塞

久山町研究が示すエビデンス
● 女性で約1.1~1.4倍程度
高血圧症の種類
本態性高血圧症
明確な原因は特定できませんが、次のような要因が複合的に関与していると考えられています。
● 遺伝的要因
● 塩分の過剰摂取
● 肥満や運動不足
● 喫煙や精神的ストレス
● 野菜不足などの食生活の偏り
● 自律神経のバランスの乱れ


二次性高血圧症
血圧上昇の原因となる病気が存在する高血圧です。
代表的なものとして、
● 腎動脈狭窄
● 原発性アルドステロン症
● 褐色細胞腫 など
が挙げられます。この場合は、原因となる病気を治療することが血圧改善につながると考えられます。
※ 当クリニックでは、原発性アルドステロン症の鑑別を含め、病態を丁寧に評価したうえで、患者さまに適した治療方針をご提案しています。
高血圧の治療

● 生活習慣の改善
● 必要に応じた降圧薬による治療
これは血圧の改善だけでなく、糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症など、他の生活習慣病の予防にもつながります。
高血圧対策の基本は「3つの柱」
① 減塩は「工夫」で無理なく続ける
出汁をしっかり利かせる
旨味を活かすことで、塩分を控えても満足感のある味付けになります。
酸味や香辛料を取り入れる
レモンや酢、スパイスなどを使うと、味に変化が生まれます。


② カリウムを意識して取り入れる
カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。
日常的に取り入れやすい食品
● バナナ
● ほうれん草
● 納豆
※ 腎臓のご病気がある方やカリウム制限が必要な方は、事前に医師へご相談ください。
③ 無理のない有酸素運動を習慣に
血圧対策として効果的なのは、強い負荷の運動ではなく、継続しやすい有酸素運動です。
● ウォーキング
● 軽いジョギング
● 自転車 など
目安は1日30分程度、会話ができるくらいの強度です。
無理なく続けることが、血圧改善への近道となります。

必要に応じた降圧薬による治療

これは決して「すぐに薬に頼る」という意味ではなく、血管や大切な臓器を守るための医学的に重要な治療選択です。
なぜ降圧薬が必要になるのか
その結果、血管が詰まったり破れたりしやすくなり、次のような重い病気を引き起こすリスクが高まります。
● 脳卒中(脳出血・脳梗塞)
● 心不全
● 心筋梗塞
● 腎不全
降圧薬の目的は、単に血圧の数値を下げることではありません。
血圧を適切な範囲に保つことで、血管や心臓、腎臓などの臓器を守り、これらの合併症を未然に防ぐことが最大の目的です。
代表的な降圧薬の種類
現在使用されている降圧薬にはいくつかの種類があり、年齢や体質、合併症の有無などを考慮して医師が選択します。
カルシウム拮抗薬
血管を広げて血圧を下げる作用があり、効果が安定しているため広く使用されています。
ARB/ACE阻害薬
血圧を上げる体内物質(アンジオテンシンⅡ)の働きを抑えます。
心臓や腎臓を保護する効果があり、糖尿病や腎疾患をお持ちの方にもよく用いられます。
利尿薬
体内の余分な水分や塩分を尿として排出し、血液量を減らすことで血圧を下げます。
β(ベータ)遮断薬
心臓の働きを穏やかにし、脈拍を落ち着かせることで血圧を下げます。
不整脈や狭心症を合併している方に使用されることがあります。
治療の進め方と服用期間について
「一度薬を飲み始めたら、一生やめられないのではないか」と不安に感じる方も多いかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
少量から慎重に開始
まずは少ない量から始め、効果や副作用を確認しながら、その方に合った薬や量を調整していきます。
減薬・中止が可能な場合も
体重減少や食生活の大きな改善などにより、薬がなくても血圧が安定するようになった場合、医師の判断で減薬や休薬(中止)ができるケースもあります。
自己判断での中断は避けましょう
ご自身の判断で急に薬をやめると、血圧が急激に上昇し、脳出血などのリスクが高まることがあります。必ず医師と相談しながら進めることが大切です。
副作用との付き合い方
降圧薬には、顔のほてり、足のむくみ、乾いた咳などの副作用がみられることがあります。
ただし、すべての方に起こるわけではありません。
万が一、服用後に気になる症状が現れた場合は、我慢せずに医師や薬剤師へご相談ください。
現在は多くの種類の降圧薬があり、副作用の少ない薬や体質に合った薬へ変更することも可能です。
高血圧に関するよくあるご質問
まずはご自身の血圧を知ることから
家庭用血圧計を使用し、毎日できるだけ同じ時間帯に血圧を測定して、ご自身の数値を把握することが大切です。
生活習慣が整うことで薬の効果が高まり、将来的に薬の量を減らせる可能性も高まります。
無理のない形で、一緒に治療を続けていきましょう。
少しでも気になる数値がある場合は、早めに当院へご相談ください。

